ボートレース界の「レジェンド」今村豊(59=山口)が8日、「BOAT RACE六本木 SIX WAKE HALL」で記者会見を行い、現役引退を発表した。

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スーツ姿で壇上にあがった今村は、いつもの周囲を笑わせる屈託のない笑顔ではなく、緊張した面持ちでマイクを握った。

「引退のきっかけは最低体重制限が51キロになった時から、自分の体調管理をするにあたって大変苦労してまいりました。11月より最低体重が52キロに変更されます。私は限界を感じまして、今期限りかなと考えていました」。もともと体重が軽く、増量させるのに苦労した。11月からの男子52キロ制を前に引退を決断した。

ラストランは9月28日、デビュー地である徳山G1ダイヤモンドカップ。5コースから5着だった。「ちゃんとゴールする姿だけは残したかった」。その思いは、ファンを大事にする今村らしい。「自分の背中を押してくれていると実感していましたし、そのおかげでここまでやってこれたと思います。本当にファンの方あっての今村豊だなと思います」。声援こそが昭和、平成、令和と3つの時代でトップレーサーとして戦い続けた力の源だった。

「やり残したことはありません。満足感でいっぱいです。ボートレースは私の人生そのものです」。ファン、関係者、全てに愛されたレジェンドが去った。

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