2020年後期(7月1日から12月31日)適用の選手級別が1日に発表され、勝率NO・1をめぐる戦い(審査期間=19年11月1日から20年4月30日)は、終わった。

白井英治(43=山口)は勝率8・63で2位となり、同8・76の峰竜太が4期連続で1位の座を守った。複勝率は白井が71・83%、峰が75・18%だった。

白井はNO・1の称号をつかむべく、最後までゴールに向けて走った。しかし、4月30日の、からつ優勝戦でパーフェクトVを飾った峰に、ほんのわずか届かなかった。

同日ナイターの下関の優勝戦後、白井は1度「気にしてない」と笑みを浮かべながら口にした。しかし、瞬時につけ加えた。「竜太、あっぱれです!(自分は)次ですね。一節一節を大切に走ってベストを尽くしたい」。

「気にしていない」というのは、白井の本音だろう。ただ、口にしたその瞬間、白井の脳裏に多くのファンの存在がよみがえったように見えた。“ファンは自分と峰のデッドヒートを、楽しみにしてくれていたかもしれない…”。

自分がファンから見られていることを、常に意識している。そして、自分にファンがたくさん付いてくれていることに、感謝の念を持っている。白井のファンに対する優しさが、つけ足しとなって表れたのだろう。

勝率NO・1への戦いは新期に持ち越しとなったが、峰に負けなかったものもある。

白井の優出10回で7回優勝に対し、峰は12優出で7回V。優出からの優勝率では上回る。3連対率も白井の87・32%に対して、峰は86・86%と、3連単舟券に絡んだ率でも上だった。そしてなにより、事故率が峰の0・25に対し、白井は0・03と圧倒的に少ない。これは「Mr.クリーン」として名高い師匠・今村豊から引き継いだ立派な数字だろう。

ホワイトシャークは新期となる5月1日から、再度大きな口を開けて、大きな魚、小さな魚を問わずにのみ込むだろう。なぜならファンがそれを望んでいることを知っているからだ。

引用元URL:https://www.nikkansports.com/public_race/news/202005010000479.html