【BOATRACE】優出一番乗りへ準優10R遠藤エミ 11Rは初準優の水野望美が一発

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 ボートレース多摩川で開催中の「プレミアムG1・第34回レディースチャンピオン」は、いよいよ9日にセミファイナルを迎える。予選トップで準優12Rの1枠を射止めたのは守屋美穂。オール2連対こそ崩れたが、今節は技・機ともに安定感抜群のレースを見せている。予選2位、3位にはポイント逆転劇で平山智加(3日目まで得点率6位)と遠藤エミ(同7位タイ)の実力者がジャンプアップ。平山は準優11Rの1枠、遠藤は準優10Rの1枠。両者ともに舟足の支えもあり、中盤からポイントアップと流れもいい。ファイナルへ向けて、それぞれ堂々のイン戦を披露してくれそう。


 ただ、各レースの中・外勢も簡単にインの逃走を許すメンバーではない。ここでは各準優の見どころに触れる。

<準優10R>
メンバーは《1遠藤エミ【写真上】、2櫻本あゆみ、3細川裕子、4川野芽唯、5高田ひかる、6土屋南》。
 遠藤は直線系を軸に上位の舟足。ターン足系統の仕上げにまだ本人は納得せすだが、パワー的には十分の域だ。予選最終走の接戦、逆転3着で準優1枠を射止めたという流れの良さも買える材料だ。
 その遠藤に襲いかかるのは中段・好パワーの細川。ただ2コースの櫻本も元来が握りたいタイプの選手。遠藤はこの2人の全速にしっかり気をつけて先制したいところ。内・中の握り合いを待つのはカド川野。外2艇は若さでチャレンジ、仕掛け次第といったところ。

<準優11R>
メンバーは《1平山智加、2日高逸子、3佐々木裕美、4渡邉優美、5水野望美、6松本晶恵》。
 平山のレース足は充実している。ただここは2コースがF2日高で壁が甘くなる可能性がある。それに対して積極型の佐々木、渡邉、水野らが攻めかかる。この3者はいずれも好脚でワンチャンス十分。日高はむしろ、平山に外を張らせて差したい思いのはず、仕掛けから巧妙に立ち回るか。大外松本は平凡足だが、差しのセンスは見逃せない。

<準優12R>
メンバーは《1守屋美穂、2小野生奈、3塩崎桐加、4山川美由紀、5寺田千恵、6深川麻奈美》。
 守屋のデキがいい。プレッシャーにも強いタイプだけに、ここもインでしっかりスタートを行きそうだ。ただ中段の塩崎、山川もここ一番のスタート攻勢があり、油断は禁物。小野は2コース差しが基本だが、伸びる塩崎をけん制するために握る1マークの組み立ても考えておきたい。外2艇では、整備で良化見える寺田の絡みが狙い目だ。

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《ピックアップレーサー・水野望美》
 4日目3Rのイン逃げでしっかり勝負駆けを成功させた水野望美【写真上】。コンマ11の踏み込み、速いスタート合戦を制しての堂々たる逃走劇。シリーズ中盤はターン足・乗り心地に課題を抱えたが、本人は「4日目はしっかり合せられたと思います。ターンの部分が良くなってきています。ただ、まだ出し切れてはいない。本体にパワーはあって、全体に余裕はあるんですけど、まだどこか飛び抜けたという足ではないんです。合えばもっと出そうな感じ。回っての足がもっと欲しいし、本体をやってみます。それでどこかにいいところが出てきてくれれば…」と、整備室へ足を運んでいだ。

 ちなみに予選ラストは「(4回目のレディースチャンピオンで)予選突破が初めてなので、めっちゃ緊張しました」と苦笑いだったが、「準優は緊張しないで行けそう。わくわくした気持ちで行きます。頑張ります!」と満面の笑みだった。

 水野望美は朗らかな笑顔が印象的。ファンサービスやメディア対応も素晴らしい若手のホープ。ただ、内に秘めた勝負への思いは人一倍熱い。元選手で現在はマンスリーBOATRACEで副編集長をされている土屋幸宏さん。水野とは同期の間柄でもあるその土屋さんに話を聞くと「デビューして間もない頃、男女混合戦で這わされて、その悔しさで泣いてたのを覚えてますよ。その頃から勝負に対する気持ちがちょっと違うなと思ってました」と若い頃の水野の印象を教えてくれた。新鋭だから、女性だからという状況に甘んじない強い走りへの思い。おもてには笑顔、内には強い闘争心、準優も大胆なレースを見せてくれるはずだ。

引用元URL:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202008090011-spnaviow