白井英治(43=山口)がインから押し切り「日本モーターボート選手会会長杯GW特選」を制した。今年4回目、通算97回目の優勝。下関に限れば、3月の周年記念を含め今年3回目、通算20回目の優勝となった。

勝戦を含めて9戦6勝、2着3回のオール2連対。数字だけを見れば楽勝にも見えるが、今節は違った。

苦しかった。相棒20号機はシリーズを通して、さまざまな整備を施したが中堅あるかないかの域を出ず、機力面での不利は明らかだった。

それでも途中で戦いをやめることはなかった。機力の弱さは、己のハートの強さで補えばいい…。そんな闘争心が、優勝戦のスタート展示のコンマ01という数字に表れていた。それは、テレビやネット中継の先で固唾(かたず)をのむファンに向けて、逃げ切る強い意思表示をしたように見えた。

そして本番。コンマ12スタートから差させずまくらせず、いつもの鋭角なターンで圧逃。相手は自分自身だけだった。

「無観客レースはしばらく続くかもしれませんね。でも、自分のできることをしっかりやってファンに喜んでもらいたい。これからもベストを尽くしていきます」

レース後は隠すことなく満面の笑みをたたえ、優勝の喜びに浸りながらも最後までファンへのメッセージを大事にした。

引用元URL:https://www.nikkansports.com/public_race/news/202005010000319.html