末永祐輝(33=山口)が気持ちを込めて、1番星に輝く。前検で引いたのは11号機。エンジン複勝率こそ34・7%で中堅機そのものだが、ここにきてやや下降気味なのは否めない。前回使用した川野芽唯は、優出4着だったが、道中のターンスピードでしのいだもの。その前に使用した寺田祥は、G1ダイヤモンドカップという大舞台とはいえ、1勝もできずに苦汁を飲んだ。

ただ、末永祐は、スタート特訓で好感触をつかんだ様子。「回転(の数字)も出ていたし、スタートもばっちりだった。班でも、周りからいいねと言われたし、自分でも余裕を感じた。とくにスリット付近が良かった。ペラもやりたい形だった」と口にした。

前節の徳山ヴィーナスシリーズは、引退した今村豊氏の突然の訪問にピット内が沸いた。その今村氏に対する、最後の弟子としての率直な気持ちを聞くと、自分自身のふがいなさにがっかりしていると、伏し目がちに話し始めた。

「僕の夢はA1選手になって、師匠の今村さんと一緒に記念(G1)に行くことでした。だから、本心では、あと半年だけ(引退を)待ってくださいと言いたかった…。でも、あれほどの人の大きな決断だから、それは言えなかった。僕自身の甘えが、その夢をかなえられなかった原因です。だから、今はしっかりA1に上がって、いい報告をすることが恩返しだと思っています。いつも気持ちを込めているけど、今節はいつも以上に気持ちを込めて走ります」。末永祐は絞り出すように誓いを立てた。

末永祐が今村氏の弟子になったきっかけは、「家が近所だったから。美祢(山口県)は小さな町で、どこにどういう人が住んでいるってことは、町中のほとんどの人が知っているんです。それくらい小さな町だから、僕がやまと学校(現ボートレーサー養成所)を出る前から町の人に協力してもらって、(今村氏に)面倒を見てもらえるように仕向けたんです。生まれたところに恵まれたんです」と舌をぺろりと出して笑みを浮かべた。

自身を「今村さんの末っ子」と称する末永祐は、前検日の22日現在、今期勝率(5月以降)6・19とA1勝負駆けの真っただ中。ボーダー付近にいる。今村氏との夢はかなわなかったが、自身初のA1級昇格を果たしたい。初日は1R1枠で登場。オープニングカードを豪快に逃げ切って、後半10R3枠とともに初日連勝発進を目指す。その先には、A1級選手の称号が待っている。今村氏も首を長くして待っているだろう。

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