大長光信行局長「家族で楽しめる施設作りを」

福岡支部の役員さんたちに取材していると、みんなが口をそろえて話してくれたのが『芦屋の対応力』。というわけで今回は、芦屋町モーターボート競走事業管理者(局長)の大長光信行(おおながみつ・のぶゆき)さんにお話をうかがいましたよ。

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芦屋町モーターボート競走事業管理者(局長)の大長光信行(おおながみつ・のぶゆき)さん

--芦屋町モーターボート競走事業管理者というのはどんなお仕事ですか?

長光局長 もともとは芦屋町役場の職員で、今は特別職としてボートレース芦屋の業務を執行する責任者であり、また、業務を行う事業局の局長という立場でもあります。

--ボートレース事業はどれくらいから担当されていますか?

長光局長 04年(平成16年)から課長としてずっと携わってて、その前の数年もあるから、もう約四半世紀近くになりますね。

--だから、選手のこともよくご存じなんですね?

長光局長 もちろん長く見てるのもあるけど、選手のことが好きやからね。それにこのモーターボート事業っていうのは、選手があって初めて成り立つ事業じゃないですか。我々がいくら事業しても走れるわけじゃないし。選手が一生懸命走ってくれて、お客様が投票してくださるから成り立つんだから、お客様はもちろん選手は財産だという意識は常に持っています。

--そういうお気持ちから『芦屋の対応力』というのが生まれているんですね?

長光局長 この事業を支えてくれている1人1人の選手が、自分の持っている実力を存分に発揮してもらうのが1番ですから、選手から「こうしてほしい」と要望があったことについては、できる限り、早くしっかり応えていきたいという気持ちはあります。それと、気象条件などが厳しい時に無理して走って大けがとか選手生命が絶たれるようなことがあったら、やっぱり我々も残念やし、あっちゃいけないことですからね。レースしてもらう以上は、それだけのしっかりとした環境を整えた状態で走ってもらえるようにしたいと思っています。

--練習できる回数も福岡の中では芦屋が一番多いとお聞きしましたが?

長光局長 やはり選手がお客様に好かれるためには、まずは腕を上げてもらわなければいけないですし、そうすると練習場所の確保は必然だと思うので「水面が空いてる時にはどんどん練習に使っていいよ」という話はしています。開催中であってもレース間の発売中とか、前検日の出場選手が集合する前のお昼までは練習時間にあてて使ってもらったりとかですね。最近はコロナもあったり、選手管理をやってもらう(日本モーターボート)競走会さんと十分に調整をしながらというのが現状ですけど、基本的には大いにここを練習会場に使って下さいというスタンスでおりますね。

--選手もうれしいでしょうね。

長光局長 それは日頃の選手の頑張りを私なりにすごく感じているところもあるからなんですよ。当然、選手は水面でいいレースをするっていうのが大前提なんですけど、福岡支部の選手たちは社会貢献もものすごくやってくれてるんですよね。芦屋町の幼稚園とか保育園に行って、図書の寄贈とか読み聞かせをしたりだとか、クリスマスの時にはサンタクロースの格好をしてお菓子をプレゼントしてくれたり。それをね、ものすごく喜んでやってくれてるのが伝わってくるんですよ。災害の復興支援も、寄付するだけじゃなくて夏の暑い時に被災地に行って重労働をしてくれたり、本当に福岡支部の選手のまとまりというのはものすごくあるなと思うし、川上(剛)君をはじめ役員の人たちが、選手たちに指導すべきところはきちっとやるから、本当にいい支部やなぁと思ってるんですよ。

--芦屋町にとってボートレースってどんな位置付けですか?

長光局長 このボートレース事業は、52年(昭和27年)に芦屋町が7番目でスタートしたんですけど、当時の芦屋町は財源的にとても厳しかったんです。それが、ボートレースのおかげで徐々に収益が出て、町の財政が潤ってきたということで、芦屋町にとってはいろんな町づくりをするためには欠かせない事業と言えると思います。

--ボートレース事業と地域とがいい関係になっているんですね。

長光局長 実は今「地域に開かれたボートレース場運営」をボート業界全体で取り組もうとしているんですけど、その中でボートレース芦屋では、モーヴィという子供の遊び場を作ろうと工事に取りかかっているところなんです。芦屋の天井の高さを生かしたモーヴィは、幼児から小学6年生までを対象にしていて、その近くにはお父さんやお母さんがくつろぎながらも子供たちが遊んでいるのを見守れるサロンのようなスペースもあります。もちろん室内なので、季節や天候を気にせず利用していただけますし、高さがあるので指導員も置いて安心して遊んでもらえるんじゃないかと思います。レース場にボートを楽しみに来るだけじゃなくて、そういった付加価値のある施設作りをしてお客様のニーズに応えていきたいと思っているんです。

--ご家族みんなで楽しめる場所になりそうですね。

長光局長 そうですね。モーヴィは来年の6月に完成予定なんですけど、もちろん、ボートレースを楽しみに来てくださるお客様がくつろげるようなグループ席の確保や、指定席のグレードアップなども今後整備していく予定です。また、芦屋にあっせんされた選手がいい環境で仕事をしてほしいという思いから、エンジンの整備をしたりプロペラをたたいたりするエリア(艇庫棟)も施設改善するんですよ。21年7月にはSGオーシャンカップが芦屋で開催されますので、皆様にお楽しみいただけるように頑張ります。ご期待ください。

そう言って、大きく笑った大長光さんの声からは、ボートが大好きだからこそ、『たくさんのお客様にボートレース芦屋を楽しんでほしい、選手のパフォーマンスを上げていいレースを見てほしい』。そんな思いが伝わってきました。 

--芦屋町は観光の町という側面もあるとのことですが、おススメのスポットを教えていただけますか?

長光局長 芦屋町は近くに海があって、「マリンテラスあしや」という全室オーシャンビューの国民宿舎では、夕日が沈む芦屋の海を露天風呂からも一望することができますし、周辺の海鮮料理のおいしいお店もご好評いただいております。海水浴とか花火、砂像をはじめ、四季折々のイベントもありますので、ボートレース芦屋にお越しの際は、そちらも合わせてお楽しみいただけるとうれしいです。

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あしや花火大会

芦屋町のイベント情報はこちらから

https://ashikan.jp/category/event/ 

○…地元選手以外でも、芦屋を得意とする実力者がいます。男子では第64、65、66、68回の当地周年を制覇した峰竜太が筆頭でしょう。女子では守屋美穂が屈指の強さを誇ります。手にした2つのG2タイトルはどちらも芦屋でした。18年11月レディースチャレンジカップ、19年7月モーターボート大賞です。大舞台でも抜けた動きを披露しました。

今年は5月G1周年に登場。地元勢の小野生奈、大山千広を差し置き、女子で唯一、予選突破を果たしました。その強みは何といっても機力の引き出しのうまさでしょう。序盤から調整をつかみ、節の後半になると、他が敵わないほどの行き足、伸びに仕上げてきます。8月多摩川プレミアムG1レディースチャンピオンで優出2着するなど、最近も結果を残し、女子賞金ランクは2位(10月23日現在)。レディースオールスターでも堂々の優勝候補として臨むでしょう。【芦屋ボート担当・土居恒久】

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